DJI AIR 2S | 初心者向けにMAVIC AIR 2 / MAVIC 2 PRO / DJI MINI 2 と比較

動画

ドローンのトップメーカーであるDJIから、昨年発売されたMAVIC AIR 2の後継となるDJI AIR 2Sが発売されました

DJI AIR 2Sを、先代のMAVIC AIR 2、MAVICシリーズのフラッグシップ MAVIC 2 PRO、廉価なDJI MINI 2の3機種と比較しつつ、カメラ好き・動画好きの人にとって最適なドローンが何かを考えてみました

DJIのドローンとDJI AIR 2S

DJIはドローンのトップメーカーで、初心者からプロユースまでをカバーする製品をリリースしています

今回発売されたDJI AIR 2Sは同社の製品の中で中級クラスのドローンです

中級クラスといっても、初心者に優しい長い飛行時間、衝突検出機能を備え、且つ、高画質なカメラ機能を備えており、初心者からプロまで幅広い層をカバーする機体に仕上がっています

 

DJI AIR 2S vs MAVIC AIR 2(先代モデル)

DJI AIR 2S外観 画像引用元(DJI公式Webページ):https://store.dji.com/jp/product/dji-air-2s?vid=104122

MAVIC AIR 2外観 画像引用元(DJI公式Webページ):https://store.dji.com/jp/product/mavic-air-2?vid=91071

DJI AIR 2S は先代のMAVIC AIR 2 と比較して、カメラ周りの性能と衝突検知機能が大幅に向上しました

特にカメラ周りの性能はフラグシップ機のMAVIC 2 PROを一部凌駕するスペックです

これらのアップデータに伴い、ドローン前方上方向にセンサーが2つ追加されたのと、カメラサイズが大きくなったことが先代のMAVIC AIR 2との外観の違いです

交換式のバッテリーは新型のDJI AIR 2Sと先代のMAVI AIR 2共通で使うことができます

センササイズの拡大と5.4K対応

DJI AIR 2S のセンササイズは先代の1/2インチから1インチにアップグレードされMAVIC 2 PROのセンササイズに並びました

センササイズが拡大し光を捉える面積が大きくなることによって、暗所での撮影をはじめ写真・動画の画質が向上します

画像引用元(DJI公式Webページ):https://www.dji.com/jp/air-2s?site=brandsite&from=nav

10bit Dlog-Mに対応・10億を超える色表現

先代のMAVIC AIR 2 はD-Cinelikeと呼ばれる8bitのフラットカラープロファイルに対応していたのに対して、DJI AIR 2Sは10bit Dlog-Mと呼ばれる、ダイナミックレンジ(明るさの範囲)と表現できる色の幅がより広いフラットカラープロファイルに対応します

10bit Dlog-Mで収録した素材を使うことでより自由度の高いグレーディングを行うことができるようになります

8bit vs 10bit

MAVIC AIR 2までの8bitの収録は、明るさを256段階で表現するのに対して、DJI AIR 2Sで新たに対応した10bitの収録は明るさを1,024段階で表現します

映像は赤・青・緑の3色で色で表現するので、8bitで表現できる色の数は約1,600万色であるのに対して、10bitで表現できる色の数は10億色を超えます

  • 8bit : 赤256色 x 青256色 x 緑256色 = 約1600万色
  • 10bit : 赤1,024色 x 青1,024色 x 緑1,024色 = 約10億色

障害物検知機能の向上

画像引用元(DJI公式Webページ):https://www.dji.com/jp/air-2s?site=brandsite&from=nav

先代のMAVIC AIR 2は前後下の3方向の障害物検知機能を備えていたのに対して、DJI AIR 2Sは上方向の障害物検出が追加され、前後上下4方向の障害物検出ができるようになりました

ドローンの操縦に慣れていない初心者でも安心して操縦をすることができます

映像伝送距離の改善

MAVIC AIR 2 で採用されていたOcuSync 2.0からDJI AIR 2SではOcuSync 3.0にアップデートされ、伝送距離が6kmから8kmに改善し、より安定して映像伝送できるようになりました

スペック比較:DJI AIR 2S vs MAVIC AIR 2

DJI AIR 2S

MAVIC AIR 2

価格

119,900円

先代から約15,000円の値上げ

105,600円

 

機体重量

595 g

先代から若干重量が増加

570 g

 

機体サイズ(折り畳み時/展開時)

180×97×77 mm(折)

183×253×77 mm(展)

180×97×74 mm(折)

183×253×77 mm(展)

飛行可能時間

31分

3分短縮したが誤差の範囲

34分

 

カメラのセンサ

1インチ CMOS(20MP)

サイズが拡大しより高画質に

1/2インチ CMOS(48MP)

 

絞り

f2.8固定

f2.8固定

最高解像度&フレームレート

5.4K:5472×3078
@24/25/30 fps

4K:3840×2160
@24/25/30/48/50/60 fps

5.4Kをサポート!

 

4K:3840×2160 @24/25/30/48/50/60 fps

 

動画ビットレート

150 Mbps

より高画質に

120 Mbps

 

フラットカラープロファイル

Dlog-M (10bit)
HLG (10bit)

10bitのLog撮影に対応!より柔軟なカラーグレーディングが可能に!

D-Cinelike (8bit)

カラーグレーディングは可能

動画フォーマット

MP4/MOV
(H.264, H.265)

MP4/MOV
(H.264, H.265)

通信距離

8 km

新しい通信方式で通信可能距離が拡大

6 km

 

障害物検知

前後上下 4方向

上方向のセンサが追加されより安全に

前後下 3方向

 

 

カメラ好き・動画好きドローン初心者にとって最適なDJIのドローンは?

まずは、DJI AIR 2S、DJI MINI 2、MAVIC 2 PROの主要スペックを比較してみます

主要機能比較:DJI AIR 2S vs DJI MINI 2 vs MAVIC 2 PRO

DJI AIR 2S DJI MINI 2 MAVIC
2 PRO
価格 △ 119,900円 ◎安い
59,400円
✖︎ 高い
197,560円
機体重量 ◯ 595 g
航空法の規制対象
199 g
航空法の規制対象外
(2021年4月時点)
△ 907 g
航空法の規制対象
ちょっと重い
飛行時間 ◯ 十分な飛行時間
31分
△ ちょっと短い
18分
◯ 十分な飛行時間
31分
解像度 5.4K@30fps
4K@60fps
◯ 4K@30fps ◯ 4K@30fps
Log撮影 ◎D-Log(10bit) ✖︎ Log撮影に非対応 ◎D-Log(10bit)
絞り ✖︎ f2.8固定
NDフィルター必須
✖︎ f2.8固定
NDフィルター必須
◎ F2.8~F11可変
NDフィルター無しで
露出補正可
障害物検知 ◯ 上下左右 4方向 ✖︎ 下 1方向 ◎ 上下左右側面 5方向

結論

一番のおすすめは DJI  AIR 2S

価格は10万円を超えてしまいますが、フラグシップのMAVIC 2 PRO と同等以上のカメラ性能を備えているにもかかわらず、価格はMAVIC 2 PROの約半額でコスパが良いです

10bit Log収録に対応しているので、本格的なカラーグレーディングによる映像表現が可能です

さらに、MAVIC MINI 2と比較して飛行時間が31分と長く、4方向の障害物検知機能を備えているので、ドローンの操縦に慣れていない初心者も安心して飛ばすことができます

デメリットはDJI MINI 2と比較して価格が高いことと、航空法の規制対象になることです

ただし、現時点で航空法の規制対象ではないDJI MINI 2も、法改正により規制対象になる可能性が高く、近い将来DJI MINI 2の航空法規制対象外のメリットが無くなる可能性が高いです

航空法の規制対象外であることを理由にDJI MINI 2を検討されている人は、DJI MINI 2が近い将来に航空法の規制対象になることを見据えて購入モデルを検討されることをおすすめします

DJI  AIR 2S:映像表現に徹底的にこだわりたい人向け

 

次におすすめなのは DJI MINI 2

DJI MINI 2 の魅力はなんといっても価格の安さと航空法の規制対象外(2021年4月時点)という飛ばしやすさ

Log撮影には対応していない為、カラーグレーディングを前提とした映像製作には向いていませんが、とにかく手軽にドローン操縦と空撮を楽しみたい人は DJI MINI 2の一択です

飛行可能な時間が18分と短いので、ドローン操縦に慣れていない初心者は思った映像が撮影できずに電池が無くなってしまう心配があります

航空法が改正され、今後は100g以上のドローンは全て航空法の規制の対象になる為、MAVIC MINI 2 の手軽に飛ばせるメリットは無くなってしまう可能性が高いです

DJI MINI 2:とにかく安くドローンの操縦を楽しみたい / 手軽に空撮を楽しみたい人向け


今、購入をおすすめできないのは MAVIC 2 PRO

上記2機種と比較して発売時期が古いこともあり、DJI AIR 2よりも性能が劣る部分がたくさんあるにもかかわらず、価格はDJI AIR 2Sの2倍近になり、コスパが悪いです

MAVIC 2 PRO の現時点の一番の魅力は絞りが可変であること

絞りがF2.8〜F11まで可変できるので、NDフィルターが無くても絞りを変えることで露出補正をすることができます

日の出、日没、雲の流れが早く光量が目まぐるしく変化するようなシチュエーションでは効率的に撮影を行うことができるので、撮影時間にシビアなプロの映像製作者向けといえます

MAVIC 2 PRO:コスパがとても悪いので初心者にはお勧めできません

露出補正・NDフィルターの使い方については以下記事で解説をしています

一眼レフを対象として解説をしていますが、ドローンのカメラであっても基本的な考え方は同じです

【初心者向け】動画撮影の為のカメラ設定・徹底解説

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【動画撮影向け】おすすめのNDフィルターと使い方

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DJI AIR 2S vs MAVIC 2 PRO(フラッグシップモデル)

DJI AIR 2S外観 画像引用元(DJI公式Webページ):https://store.dji.com/jp/product/dji-air-2s?vid=104122

MAVIC 2 PRO外観 画像引用元(DJI公式Webページ):https://store.dji.com/jp/product/mavic-2?vid=45291

DJI AIR 2S

MAVIC 2 PRO

価格

119,900円

MAVIC PROの半額の価格

197,560円

プロ仕様な価格・・・

機体重量

595 g

MAVIC PROの半分に迫る重量

907 g

ちょっと重い・・・

機体サイズ(折り畳み時/展開時)

180×97×77 mm(折)

183×253×77 mm(展)

コンパクト

214×91×84 mm(折)

322×242×84 mm(展)

ちょっと大きい・・・

飛行時間

31分

31分

カメラのセンサ

1インチ CMOS(20MP)

1インチ CMOS(20MP)

絞り

f2.8固定

露出補正にNDフィルターが必須

F2.8~F11の範囲で可変

NDフィルターが無くても露出補正可能

最高解像度&フレームレート

5.4K:5472×3078 @24/25/30 fps
4K:3840×2160 @24/25/30/48/50/60 fps

5.4K@30fpsと4K@60fpsの撮影できることがアドバンテージ

4K: 3840×2160
@24/25/30p

動画ビットレート

150 Mbps

より高画質に

100 Mbps

 

フラットカラープロファイル

Dlog-M (10bit)
HLG (10bit)

Dlog-M (10bit)
HLG (10bit)

動画フォーマット

MP4/MOV (H.264, H.265)

MP4/MOV (H.264, H.265)

通信距離

8 km

新しい通信方式で通信可能距離が拡大

6 km

 

障害物検知

前後上下 4方向

 

前後上下側面 5方向

側面をカバーするのでより安全

 

DJI AIR 2S vs DJI MINI 2(廉価モデル)

DJI AIR 2S外観 画像引用元(DJI公式Webページ):https://store.dji.com/jp/product/dji-air-2s?vid=104122

DJI MINI 2外観 画像引用元(DJI公式Webページ):https://store.dji.com/jp/product/mini-2-jp?vid=99441

DJI AIR 2S

DJI MINI 2

価格

119,900円

59,400円

とにかく安い!

機体重量

595 g

 

199 g

航空法の対象外(2021年4月時点)

機体サイズ(折り畳み時/展開時)

180×97×77 mm(折) 183×253×77 mm(展)

 

138×81×57 mm(折)
159×202×55 mm(展)

小さい!

飛行時間

31分

余裕を持った飛行時間

18分

ちょっと短い・・・

カメラのセンサ

1インチ CMOS(20MP)

より高画質に

1/2.3インチ CMOS(12MP)

 

絞り

f2.8固定

f2.8固定

最高解像度&フレームレート

5.4K:5472×3078 @24/25/30 fps
4K:3840×2160 @24/25/30/48/50/60 fps

5.4K@30fpsと4K@60fpsの撮影できることがアドバンテージ

4K: 3840×2160
@24/25/30p

動画ビットレート

150 Mbps

より高画質

100 Mbps

 

フラットカラープロファイル

Dlog-M (10bit)
HLG (10bit)

10bitのLog撮影に対応!

なし

カラーグレーディングせずお手軽に映像を楽しむ用途がよい

動画フォーマット

MP4/MOV (H.264, H.265)

ファイルサイズを小さくできる

MP4/MOV (H.264)

 

通信距離

8 km

新しい通信方式で通信可能距離が拡大

6 km

障害物検知

前後上下 4方向

より安全

下 1方向

Worry-Free Fly More コンボ

DJI AIR 2Sを購入される方は Worry-Free Fly More コンボ の購入もご検討ください

通常セットに+45,100円追加することで以下のアクセサリとDJI Care Refresh 1年分が付属します

これらを後から単品で購入した場合には、合計で69,740円になるので、Worry-Free Fly More の方が 24,640円分お買い得 です

  • DJI AIR 2S標準セット価格:119,900円
  • Worry-Free Fly More コンボ:165,000円
  • 差額:45,100円

Worry-Free Fly More コンボの中身

Worry-Free Fly More
コンボ 付属品
単品単価 付属数 合計価格
バッテリー 13,200円 2 26,400円
プロペラ 1,210円 3 3,630円
NDフィルター
(ND4/8/16/32)
9,900円 1 9,900円
充電ハブ 6,380円 1 6,380円
バッテリ
パワーバンク
アダプター
2,420円 1 2,420円
ショルダーバッグ 9,020円 1 9,020円
DJI Care Refresh(1年) 11,990円 1 11,990円
合計 69,740円

DJI Care Refresh(1年)

DJI Care Refreshは Worry-Free Fly More コンボの中に含まれる保証サービスです

この保証に加入することで少額の費用で製品を交換することができます

ドローンは常に衝突・墜落・水没による故障や機体紛失のリスクがある為、保証に入っておくと何かと安心です

  • 2回の製品交換
    • 1年間に2回まで製品交換可能
        • 1回目:13,990円
        • 2回目:17,990円
    • そのうち 1回は飛行紛失保証として使用可能:59,900円

詳しくはメーカーWebページまで:https://store.dji.com/jp/product/dji-care-refresh-dji-air-2s

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