シネマチックな動画を作るのに欠かせない「レターボックス」と呼ばれる黒帯を動画の上下に付ける方法を解説します
iPhoneで撮影した動画にレターボックスを付けるだけで、映画のような雰囲気の動画を作ることができます
今回紹介する方法は、純正アプリのiMovieや多くのメジャーなiPhone・iPad用の動画編集アプリに使える方法です
レターボックスとは?
レターボックスとは映像の上下に表示する黒帯のことで、元々は画面のアスペクト比(横と縦の比率)が異なる映像と表示器同士の互換性を持たせる為に使用されていましたが、現在は映像を映画風に見せる為の表現手段としても使われています
※スライダーを操作してレターボックスあり・なしの比較ができます
iPhoneで撮影した動画やテレビ・YouTubeは16:9のアスペクト比が使われているのに対して、映画ではシネマスコープと呼ばれる2.35:1のアスペクト比や1.85:1、2.39:1など、様々なワイドなアスペクト比が採用されてます
16:9のアスペクト比の動画にレターボックスを付けることによって、擬似的に映画で使われているワイドアスペクト比を作ることができます
レターボックスを使わずワイドなアスペクト比で動画を書き出すのはだめ?
どちらの方法が良いかは好みになりますが、ワイドなアスペクト比で動画を書き出すのではなく、レターボックスを使うことをおすすめします
レターボックス方式の方がより映画風に見えることと、動画制作の自由度がより高いことが理由です
例えばYouTubeに動画をアップロードする場合に、レターボックス方式であれば
- Vlogパートは16:9のアスペクト比そのままの映像
- シネマチックなBロール(イメージカット)はレターボックスを使った2.35:1にアスペクト比の映像
というように、異なるアスペクト比を一つの動画上でミックスさせることが可能です
YouTubeでシネマチックな動画やVlogをアップしているほとんどの人が、16:9のアスペクト比の映像にレターボックスを追加する方法採用しています
なお、本記事で紹介をしているiPhone、iPadの動画編集アプリのうち、VLLO、Video leapについては、2.35:1のアスペクト比での動画の書き出しにも対応しています
どのアスペクト比を選んだら良い?
2.35:1または2.36:1がおすすめです
- おすすめの理由
- ワイドなアスペクト比の中で最もメジャーな比率
- 2.36:1は動画をワイドに撮影することができる1.33倍のアナモルフィックレンズを使った映像素材にもフィットする
MOMENT アナモルフィックレンズの使い方| カメラ・動画編集アプリの設定を解説
本記事では2.35:1や2.36:1をおすすめしましたが、16:9のアスペクト比の動画にレターボックスを付ける方法であれば映像の互換性を心配する必要が無いので、皆さんの好みのアスペクト比を選んでいただいて問題ありません
レターボックスを付ける時の注意点
レターボックスを付けると、レターボックスの面積分だけ映像の上下が切れてしまいます
撮影時にレターボックを付けるとこを想定して撮影の構図を決めておくと編集時に苦労をせずに済みます
レターボックスを動画に付ける方法
今回ご紹介する方法は、透過機能を持つPNG形式で作成されたレターボックスの画像を、動画編集アプリのオーバーレイ(映像、画像の重ね合わせ)の機能を使ってレターボックスを付ける汎用性の高い方法です
レターボックスを付けることのできる動画編集アプリは?
オーバーレイの機能を持つアプリは今回解説する方法が使えます
iPhone•iPad用の以下の無料アプリで今回の方法が使えることを確認しました
各アプリの機能比較についてはこちらの記事で解説してます => iPhone/iPadでシネマティック動画編集・おすすめの動画編集アプリ
*一部機能が有料のアプリもあります
レターボックスの具体的な付け方
今回は最もメジャーや2.35:1のアスペクト比のレターボックスを作りたいと思います
Step1: レターボックスのpng画像素材のダウンロード
ありがたいことにPremium Beatというクリエイター向けの音楽素材配信サイトが無料のレターボックスの画像素材を公開してくてれいます
2.35:1以外にも様々なアスペクト比のレターボックスのPNG画像データがパッケージされています
以下のページにアクセスし、ページの下の方にある「DOWNLOAD FREE LETTERBOX TEMPLATES」をクリックしてファイルをダウンロードしてください
*もしダウンロードがうまくできない、もしくは見知らぬサイトからダウンロードしたくないということがあれば、VectornatorというiPhone・iPadの無料アプリを使って同様の画像ファイルを作成することができます
こちらの記事で詳しく解説しています => 黒帯(レターボックス)をiPhoneアプリを使って無料で作る方法
ダウンロードしたファイルはiPhone・iPadのファイルアプリ内のダウンロードフォルダにzipファイルとして保存されます
このファイルを解凍します(zipファイルを長押して表示されるメニューから展開をタップするとファイルを解凍することができます)
解凍後に作成されるフォルダ「Letterbox-Templates」から「White Letterbox Templates」 → 「4K UHD」 の順にフォルダを進み、2.35:1の画像「235 Cinemascope 4K UHD.png」を選択します
「235 Cinemascope 4K UHD.png」を選択後、左下のボタンをタップしメニューから「画像を保存」を選択すると写真アプリに該当の画像が保存されます
*フォトアプリ内にレターボックスのアルバムを作成し、そのアルバム内にレターボックスの写真を保存しておく、もしくはお気に入り登録しておくと後で画像データを見つけやすく便利です
ここまでで準備完了です
Step2: 動画編集ソフトのタイムラインに画像ファイルを取り込む
本記事では比較的レターボックスを付ける作業が簡単な、iMovieとVNについてレターボックスの追加方法を詳しく解説します
その他のアプリについても、以下のまとめの内容を参考にして頂ければ比較的簡単にレターボックスを追加することができると思います
アプリごとのレターボック追加方法まとめ
- iMovie
- グリーン/ブルースクリーン機能よりレターボックスを追加
- レターボックスのサイズ調整は不要
- VN
- レイヤーの追加機能よりレターボックスを追加
- 「塗り潰す」ボタンでレターボックスのサイズを自動調整
- CapCut
- ステッカー機能よりレターボックスを追加
- レターボックスのサイズ調整は手動
- VLLO:
- 画像レイヤよりレターボックスを追加
- サイズメニューよりレターボックスのサイズを倍率を指定で調整
- Videoleap
- オーバレイ機能よりレターボックスを追加
- 変換 → 幅に合わせる でレターボックスのサイズ調整
- In shot
- ステッカー機能よりレターボックスを追加
- レターボックスのサイズ調整は手動
iMovie
1. 動画をインポートした状態から映像左下の「プラスボタン」をタップ
2. 表示されるメニューから「写真」を選択
3. 写真アプリの中のアルバムから保存済みのレターボックスの画像ファイルを選択し「・・・」をタップ
4. 表示されるメニューから「グリーン/ブルースクリーン」を選択
これで映像にレータボックスが反映されました
レターボックスの適用範囲はタイムラインの端をドラッグして調整します
VN
1. 動画をインポートした状態からレイヤーを追加するボタンをタップ
2. 写真アプリの中のアルバムから保存済みのレターボックスの画像ファイルを選択
3. レターボックスが反映されたら、レターボックスが選択された状態で
4. 画面下にあるメニューから「塗りつぶす」をタップ
これで映像全体にレターボックが反映されました
レターボックスの適用範囲はタイムラインの端をドラッグして調整します
まとめ
- レターボックスを付けるだけでシネマチックな動画にすることができる
- おすすめアスペクト比(横と縦の比率)は2.35:1
- レターボックスを付けると上下が映像が切れてしまうので、撮影時に映像の上下が切れることを想定し撮影の構図を考える
- iPhone・iPadの動画編集アプリを使って簡単にレターボックスを付けることができる
- 具体的な方法:PNG形式のレターボックス画像を動画編集アプリのオーバーレイの機能を使い映像に重ね合わせる
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