2021/7/2追記;次回の大幅アップデートバージョンは2.5ではなく3.0になるようです
iPad / iPhone用の動画編集ソフトの中で最も高機能と言われているLumaFusion 2.4が7月に大幅にアップデートされLumaFusion 3.0になります
LumaFusion 3.0で追加される新機能の情報をいち早く入手しましたので、その内容を解説します
モバイルビデオグラファーが待ち望んでいた機能が目白押しです!
確度の高い情報源
情報源は2021年4月29日に配信された以下のYouTube動画です
LumaFusionを開発するLumatouch社の創業者の1人であるTerry MorganとChris DemirisTerry MorganとChris Demirisが、以下のインタビューの中で2021年のLumafusionのアップデートについてじっくり語っています
創業者自らが語った内容になりますので、この動画の中で語られている新機能は確実に搭載されると考えてよいでしょう
追加情報(6/26)
メーカー公式サイトの掲示板に時期アップデートに関する情報が掲載されています
当初の情報では次の大型アップデート(Lumafusion 2.5)が6月中とアナウンスされていましたが、リリースが若干遅れているようで、最新の情報ではLumafusion 3.0として7月中旬のリリース予定とされています
2021年に追加される新機能
新機能の概要は動画の14:34あたりから語られてます
2021年にアップデートが予定されている機能は以下の通りです
- 7月のアップデート(LumaFusion 2.5)
- スタビライザー
- ウィンドウの大きさを変更できるUI
- 外部ストレージ編集
- オーディオEQとグラフィカルUI
- 3rdパーティーオーディオプラグイン
- これら5つの機能は無料
加えてパラメータ設定のユーザーインターフェースが改良されるようです(恐らく設定値を直接入力できるようになる)
- 有料機能
- ディレクターズパック
- マルチカム編集
- ビデオスコープ
- キーフレームカーブ・キーフレームイージング
- 価格は未定(2021年4月29日現在)
- リリース時期:夏?
- 名称未定
- スピードランピング
- その他具体的な機能は動画中で語られず
- リリース時期:できれば年内
- ディレクターズパック
7月に追加される無料の新機能詳細
スタビライザー
手ブレした映像を手ブレを抑えた滑らかな映像に補正する機能です
LumaFusion 3.0に追加される予定のスタビライザーは「ロードオブザリング」、「キングダムオブヘブン」、「チャーリーとチョコレート工場」で実績のあるVFXのプラグインを開発するCoreMelt社の技術を使っているそうです
私自身は、iPad / iPhone上でスタビライザーをかける場合には、Emulisioというスタビライザー専用のアプリを使ってオリジナルのクリップを補正し、新しいクリップとして書き出した後、LumaFusionに取り込む作業を行っていました
LumaFusion 3.0でこの作業から解放されることになります
ウィンドウの大きさを変更できるUI
ありそうで無かった機能
LumaFusion 2.4までも、いくつかのUIレイアウトを選択することができましたが、各ウインドウの大きさを変更することはできませんでした
今後は各のウインドウの大きさを自分の好みに変更して効率的に作業を進めることができるようになります
外部ストレージ編集
LumaFusion 2.4までは、プロジェクトファイルをiPad iPhoneの中のストレージに保存しておく必要がありました
今後はプロジェクトファイルを外付けのストレージに保存することができるようになるので、iPad iPhoneの容量を気にせず動画編集を行うことができるようになりそうです
ただし、外部ストレージ編集に対応するのはUSB Cポートを持つiPadのみのようです
また本機能は、iOS14.5で内部プロセスの改善されたことによって実現した機能との説明があります
Thunderboltに対応していない旧型のiPad Proで、どの程度遅延なく編集ができるかは実機で検証する必要がありそうです
Lumafusionにおすすめの外付けSSD(2021年7月31日追記)
Lumafusionと組み合わせて使うおすすめのSSDは現時点でSAMSUNGのT7(最大読込速度:1,050MB/秒)です
以下のLumafusion公式Youtube動画(16:20付近)で、テスト済みのSSD(外付けドライブ)について語られています
内容をまとめると、
- SAMSUNGのSSD(T5、T7、X5)3種でパフォーマンスを確認
- T5の最大読込速度:540MB/秒
- T7の最大読込速度:1,050MB/秒
- X5の最大読込速度:2,800MB/秒
- 最もコストパフォーマスに優れていたのがT7
- SAMSUNGのSSDのラインナップの中でより早い読込速度に対応しThunderboltのインターフェースを持つX5を、Thunderboltに対応した2021年発売の最新iPad Proに接続してテストをしたが、期待するようなパフォーマンスが得られなかった(今後のパフォーマンス改善はAppleのソフトウェア次第)
と解説されています
上記はLumafusionの公式な見解なので、現時点ではSAMSUNGのT7を使うのが最も確実と言えます
オーディオEQとグラフィカルUI
オーディオの音質を周波数ごとにグラフィカルに調整できるようになります
Lumafusionのオーディオ機能はお世辞にも使いやすいとは言えませんのでこういった改善はうれしいアップデートです
3rdパーティーオーディオプラグイン
外部のオーディオプラグインを使えるようになるようになります
ただ、どのようなプラグインが用意されているかは現時点で不明です
放送や音楽に従事されている方は今後強力な武器になるかもしれません
有料新機能の詳細
マルチカム編集
最大12トラックのマルチカム編集に対応します
本当に処理ができるのか心配になりますが、最大12トラックの映像をマルチカム編集したものを、通常の映像の6トラックの内の1つのトラックとして編集できるようです
同期はオート、タイムコード、音声、マニュアルの4種類から選択できます
プロの映像編集化やユーチューバーにとっては強力な機能になりそうです
ビデオスコープ
Lumafusion にも待ちに、待ちに、待ちに待った
- ヒストグラム
- ウェーブフォーム
- ベクタースコープ
が遂に搭載されるとことになりました
LumaFusion 2.4までは簡易なカラーコレクションやLUTの読み込みに対応していたものの、波形の機能がない為、カラーコレクションを行う際は、映像の見た目だけで調整する必要があり、客観的なカラーコレクションを行うことができませんでした
また、LumaFusion 3.0からは10bitのHDR編集に対応したのにも関わらず、スコープの機能が無い為に、せっかくの10bit/HDRの編集能力を活かし切ることができませんでした
スコープに対応したことで、より緻密な色編集ができるようになります
今後はより緻密なカラーコレクションやグレーディングができるように更なるアップデートを期待したいと思います
キーフレームカーブ、キーフレームイージング
LumaFusion 2.4まででもキーフレームを使ったアニメーションには対応していましたが、アニメーションを滑らかに動かしたり、緩急をつけたりすることはとても苦手でした
キーフレームカーブ、キーフレームイージングに対応することで、より滑らかで緩急のあるアニメーションを作ることができるようになります
スピードランプ
この機能もずっと、ずっと、ずーっと待ってます、、
スピードランプは音楽、効果音、映像の切り替えのタイミングに合わせて映像の再生速度に緩急をつける編集の手法です
Sam ColderやPeter McKinnonのような海外の有名な映像クリエイターがこぞって使う編集手法の一つで、シネマティックな映像制作におけるここ数年のトレンドになっています
今のLumafusion ではスピードランプ編集はできません
クリップを細かく分割し、各クリップごとに速度を調整することでスピードランプ風に編集することはできますが、編集作業に非常に時間がかかる上、出来上がる映像もスムーズさにかけます
スピードランプに対応すれば、よりクリエイティブな動画編集ができるようになります
有料機能パックの一機能として年内にリリースしたいと動画の中で語られていますので、気長にリリースを待ちたいと思います
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